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ABCSSの歴史
1953年に米国で始まったReach to Recovery Programを日本ではABCSSと命名しました。1993年10月あけぼの会はオーストラリアからアン・フレッチャー女史を招いて訪問ボランティア・トレーニングを実施。翌94年3月から訪問を開始しました。
ABCSSの目的
乳がんの手術を受けて入院中の患者さんを手術体験者が訪問し、不安や疑問に答え、退院後の生活に必要な情報をアドバイスすることです。ボランティアは所定のトレーニングを受け、また、よい印象を与えることを心がけています。同じ体験者でないとわからない質問に答え、退院後社会復帰を手助けするのがポイントといえるでしょう。
訪問
訪問に際し、退院時に着用できる仮パット((株)ワコールの提供)、特殊下着・水着などのカタログが入った「おみやげセット」をプレゼントします。
訪問はあくまでも病院側の協力を得た公的訪問であり、個人的な訪問ではありません。 
ボランティアの資格
  1. 乳がん体験者であけぼの会会員、術後1年以上の人。
  2. 所定のボランティア研修を受けて、現在健全な社会生活を営んでいること。
  3. 思いやりがあり、思慮深く、自分の体験を社会のために生かしたいと考える、勇気ある女性たち。
ボランティアトレーニング
(各地区のコーディネーター、支部長が中心となって定期的に開催)
  1. 「ABCSSテキストブック」に沿って訪問の目的、意義、ボランティアの心得などを確認する。(医学的な質問には答えない、自分の病歴と比較しない、訪問した患者さんのプライバシーを守るなど)
  2. ロールプレイを行い、その内容を皆で検討する。
  3. 訪問後の「レポート」の作成方法                      
  4. ナースからのアドバイスを聞く。 
その他、専門医による乳がん治療法の最新情報についての講演会もあります。

研修を受けて

3回の研修でデビューできるか不安もありました。最初は同じ体験者というだけでかなりの力になれると思っていましたが、研修を受けるうちにそれほど簡単なことではなく、患者さん一人ひとりの悩みや不安に共感し、元気に社会復帰してもらうことが大切な役割であることがわかりました。研修の中で、特にロールプレイでいろいろなケースを学んだことが、実践上もかなり参考になりました。

(あけぼの会 会員)

初めての訪問 

私がはじめて訪問した患者さんはその日の診察で病理結果を聞き、今後の治療への不安がかなり強く、始終涙を流し、言葉を詰まらせていました。振り返れば自分自身も術後治療が始まるときは本当に辛かった頃です。そのときに自分はどうであったかを思い出せば相手の気持にもっと寄り添えたはずだと反省しています。また沈黙の状態が続くとどうしても自分が多弁になりそうなので落ちついて、相手が話し出すのを待つように心がけました。机をはさんで座ると疑問を聞く側とそれに答える側との意識を持ってしまいがちですが、根本はともに同じ病を経験したもの同士です。後日届いた感想はがき(患者が感想を書いて郵送する)には「前向きに立ち向かうよう、背中を押された気がしました」と書かれていて、少しお役に立てたのだとホッとしましました。

(あけぼの会 会員)

ABCSS訪問を受けた患者さんからのレターの紹介
  • 退院後の生活、痛み、リハビリ、その他、実際に体験された方のお話はとても現実的で参考になりました。
  • 今まで乳がんの手術を受けることで頭が一杯でしたが、術後のいろいろな治療、自己で注意していくポイントを教えていただき少し落ち着いて生活できそうです。感謝
  • Very helpful to hava a “senpai” talk to you about everything! My main worry was where to get a bra ! THANK YOU!!
  • ボランティアさんの明るく元気な姿を見て私も大丈夫かと勇気づけられました。御土産のパッドやパンフレットは嬉しいプレゼントでした。
ドクターからのコメント
  • 同じ病気を克服した人の存在は死への恐怖を打ち消し前向き生きようという意欲につながります。(聖路加国際病院・ブレストセンター長・中村清吾先生)
  • 病院では患者がゆっくり不安を話せる窓口がない、病院ができなかった部分のフォローをすることは必要である。ボランティさんが手術後の精神的サポートとして、話を聴いてくれるといい。同じ病気、同じ治療を受けた人は話を聞くのはとても良いことで、健康な人には出来ないことである。 (癌研有明病院・乳腺科部長・岩瀬拓士先生)
  • 患者さんに診断の結果や治療方針を説明するとき、どういう治療が一番すすめられるか、その治療によってどの程度の効果が期待できるかを説明することは出来ます。しかし治療のつらさや日常生活での工夫などは、説明をすることは難しいです。そんな患者さんが本当に安心できるのはやはり同じ病気になって同じ治療を受けたことのある先輩からのアドバイスだと思います。抗がん剤治療でつらくなったり、髪の毛が抜けてしまったり暗い表情だった患者さんが、次にお会いしたとき「あけぼの会の方とお話できて良かった」と別人のような笑顔で治療に向かわれるといった経験があります。(神戸医療生活協同組合・神戸協同病院 箕畑順也先生)
ナースからの声
  • この活動は患者さんの社会復帰の支援と精神的ケアを担っていてとても有意義です
    13年前導入されたABCSSの活動が今では「乳がんの手術をされる方へ」の説明の中のスタンダードのケアとして看護手順となっており、新人看護師も医師も当然のように説明しています。この活動の重要な点は、患者の心のよりどころの一部になれること、そして乳がん患者の生の声を医療者に伝える架け橋となっていることです。このことで日本の乳がん医療の質の向上に貢献しているのです。 (聖路加国際病院・ナースマネージャー・玉橋容子)
  • 乳がんの診断を受け治療を受けられた患者さんにはそれぞれに悲しみや苦しさ、悩みなどがあると思います。私たち看護師は患者さんの思いを伺い、そこからいろいろなことをお話いたしますが、同じ経験をされた方だからこそわかる思いがあり、医療スタッフの対応だけでは十分ではないこともあると思います。ボランティアの方の訪問が患者さんのためになることを信じています。(癌研有明病院 乳がん認定看護師 武石優子)
受け入れ病院と県名
2007年訪問患者数 全国469名
ボランティアメンバー 全国110名
テレサ・ラッサー賞
あけぼの会はABCSS病院訪問ボランティア活動に対して2000年に「REACH TO RECOVERY INTERNATIONAL(本部:ジュネーブ)」国際会議の会場でアジアで始めてのテレサ・ラッサー賞を受賞しました。ちなみにこの会議は、3年に一度ヨーロッパ各国持ち回りで開催されています。

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