5月皐月
「ああ皐月 仏蘭西の野は火の色す 君も雛罌粟(コクリコ)われも雛罌粟」 与謝野晶子
●今日5月3日、憲法記念日。朝、テレビで知った。すっかり忘れていた。読み終えた朝刊「毎日新聞」を再度開いて見たら、一面のページ案内欄に「きょうは憲法記念日」と記述がある。どこを見ていたのか。
5月と言えば、あけぼの会「母の日キャンペーン」、全国の会員が燃える月、会員+応援、総勢1000人が町で乳がん早期発見を促すポケットティッシュを配る。テントを張って相談を受けたり、検診車が出る県もある。今年はなんと28回目、体験者の心からのメッセージが伝わり、日本女性の乳がん死ゼロに繋がることを祈る。
●今年の秋の大会(10月13日・土)の内容が固まりつつある。「日韓乳がん患者交流シンポジウム」はどうだろうか。隣国・韓国からドクターと患者に来てもらって、それぞれのお国事情を披露して、両国共通の問題や提案があれば、合同決議で発表できる。壮大な構想!あけぼの会はインターナショナルなのよ、といつも言っているので、実践しなければ。幸い、私達にはパクさんという強力な友人がいて、10年以上のお付き合い、昨年はあけぼの会から20人の団体でソウルの国際乳がん学会に参加して、あちらの患者会と交流した。
●今年はお返しで、日本に来てもらう。そのパクさんが来日、定宿の我が家に泊まって、二人で大会の打ち合わせをした。韓国の患者会は元気があって、昨年10月にはヒマラヤのアンナプルナ登山をやってのけた。それも役所に掛け合って、日本円で200万近い補助金を取得、各人の旅費以外の経費、シェルパ代などはそれで賄った。また、カメラマンを雇って、写真を撮ってきて展示会をしたり、めいめいが登頂記を書いて、一冊の本にまとめて出版したりするのだと言う。「乳がん患者ヒマラヤ踏破」は売れる見込みと言っている。
●韓国はまた、乳がん患者会から希望者が集まってコーラス団を作っている。毎週土曜日に2時間の練習をして、お呼びがかかればどこへでも出向いてコーラスを披露している。
このコーラス団が秋の大会に来るか。数と、にぎやかさが、今から恐ろしい。全員が揃いのチマチョゴリを来て、ステージに並ぶと壮観だ。とても羨ましいと思う。日本の患者にも見せてあげたい。パクさんは「どうして、あけぼの会では何もしないの?」と会うたびに私を激しく叱責する。「大きな会で何でもできるのに、がんの話ばかりして」と言う。
●私は頑固なので叱責されてもびくとも、なびかない。私達は乳がん患者会、乳がんで今一番困っている人の助けになるために常に粉骨砕身している。山へ行きたければ行けばよい、コーラス団に入りたければ入ればよい、それは個人の趣味の域、会がお膳立てすることはない、と反論している。そして、行き着くところは「国民性の相違」ね、となる。私が、融通がなさ過ぎるのだろうか。過去に、日本の乳がん患者がアメリカと合同で富士登山をしたことがある。当然、お声がかかった。しかし、会としては参加はしなかった。
●富士へ登れる人は体力があるからなので、厳密に言えば、元がん患者、健常者とそう変わらない。それを「がん患者が富士登山」は正当ではないのでは、と断った。世間に対する‘がん患者の甘え’、私はそれがとても嫌い。しかし、みなさん、心配ない。大会ではパクさんがあちらの患者会をスライドでありのまま紹介してくれる予定。韓国患者の元気に煽られて、憧れて、私の頑固も折れて、その後の活動を見直すことになるかも知れない。
あけぼの会会長 ワット隆子